現代社会における葬儀環境の変化

2021年02月22日

株式会社 千代田セレモニー
儀礼本部 大八木 耕一


 現代社会における「葬儀」を取巻く環境は急速に変化しています。「拡大家族」から「核家族」へと家族構成が変化し、「家族葬」「一日葬」という考え方、式場も、ご自宅から葬祭会場・公営斎場に大きく変わり、自分自身の葬儀の事を考える葬儀事前相談の急速な増加など、多様化してきています。
 弊社は昭和40年に東京都荒川区に、会員システムによる冠婚葬祭事業を目的に設立。「心のサービス」を社是に地域に密着し、人生の節目のセレモニーをお手伝いさせていただき、55年が過ぎました。現在では、東京・神奈川・山梨とサービスのネットワークは拡大し、時代の流れの中で十人十色の想い出、式に対する考え方などに様々な形があり、ご家族様の葬儀に対しての方向性が急速に変わりつつあります。
 今回は、「葬儀についての注意事項」、「お墓の選び方」を中心に考えてみたいと思います。

□葬儀事前相談の増加

 ひと昔前は、葬儀の事を前もって相談すること自体、縁起が悪いという事で考える方々は少数でした。しかし、ここ5年で葬儀事前相談を考えている方々は、自分らしい葬儀や、残された家族に迷惑をかけないように、自分自身の葬儀を生前に自分で段取りをする。また、遺影写真用に写真館にて自分撮影をするなど、急増しています。
弊社では、10年前に葬儀ご相談サロンを、西日暮里(メモリアルセレス千代田21内)に開設。現在では、西日暮里、東日暮里、赤羽、赤塚、橋本(神奈川)と展開し、相談来館累計数が約11,000組を超えてきております。

【よくある相談事】
① 葬儀費用のお見積り ②近くの葬儀場 ③必要な準備 ④葬儀後の手続き
【葬儀の事前準備】
① 喪主を決める。 ②宗派・寺院・墓地などの確認をする。 ③お帰り先を決める。
④参列者の人数・連絡先を把握する。 ⑤希望する葬儀式場を考える。
⑥お写真を探す。 ⑦家族みんなで相談する。

 このように、昔は、葬儀の世話人的な町会・近隣・地域のリーダー的な方々の
存在が段々と時代とともに変わりつつあり、自分の事は自分で準備という環境に
なってきています。

□家族葬の事

 今や家族葬という言葉は、ほとんどの方が耳にする時代になりました。
【家族葬のイメージ】
① 近しい身内だけで行う葬儀  ②静かに故人をおくる葬儀
 しかし、葬儀後にいろいろと困る出来事も増加しています。
 例えば、葬儀後に亡くなられた事をお聞きになり、関係者と家族間のなかで「知らしてほしかった・・・」などの声や、お香典が届いたり、弔問に来られたりして、家族はしばらく家をあけられないなどの事も出てきているようです。
 「家族葬」の良い点・好ましくない点など、準備段階でしっかりした家族の気持ち、供養する方向性を決めてから行う事が望ましいと思っております。

□宗派の事

 葬儀を行う形として、全国で約9割が「仏式」であることから時代は変化していますが、「仏式」の行為はほぼ変化がみられません。
 しかし、いざ自分の宗派を聞かれると答えられない方が増えてきているように思います。代表的な仏式宗派を挙げてみたいと思います。
① 浄土真宗 ②曹洞宗 ③真言宗 ④浄土宗 ⑤日蓮宗 ⑥日蓮正宗 ⑦臨済宗 ⑧天台宗 ⑨友人葬 ⑩黄檗宗 ⑪時宗などがあります。中でも全国的に多いのは「浄土真宗」のようです。なかなか宗派を調べる機会がないと思いますが、お墓参りやご法事の時などに調べてみるチャンスがあると思います。まずは、ご自分が何宗なのかをわかっておくと、葬儀相談の時もスムーズに進みます。

□お墓の事

 日本人の供養観には、「魂」の供養≪仏壇・お位牌≫と「魄」の供養≪お墓≫があります。古来、日本人には精神と肉体の両面に対し供養を行う考え方が定着しています。「墓地」とは、死者に対して、生あるものが追悼を行う場所。また、「墓地・埋葬等に関する法律」という法律で管理や埋葬方法が定められています。お墓は「祭祀財産」といい、ご先祖様を祀るために使用されるものです。また、社会問題化になりつつある「墓守」(はかもり)不在、管理維持の問題が高齢化により出てきています。また、将来的に年間死亡者数と墓地需要が十分に応えきれない時代が到来することは間違いありません。そうなりますと、ご遺骨をご自宅で所持しているお宅が増えてきます。今では、納骨型仏壇まで出てくる時代です。
 お墓の形態には、①都立霊園 ②民間墓地 ③寺院墓地 ④納骨堂(室内墓苑) ⑤散骨・樹木葬があります。
良い点・注意する点などが各々ありますので、事前によく調べてから墓地は決定することをお勧めします。また、近年、地方の過疎化・少子化を背景に様々な事情でお墓の引っ越し「改葬」を希望される方も増加傾向にあります。納骨堂・散骨・樹木葬もテレビなどでいろいろと話題にはなっていますが、内容や注意事項をよく確認してみてください。
 
 最後に私が思う「葬儀」「お墓」は、やはり、人と人との「縁」を第一に考えた形を推薦致します。「個」になりつつある現代社会、古き良き日本人の心を葬儀・お墓へと残したいと考えてやみません。今からでも遅くはありません。自分なりの形を前もって考えてみませんか。
 弊社ホームページ(www.chiyoda-ceremony.com)をご参照頂ければ幸いです。

【参考文献】

 第11回「葬儀についてのアンケート調査」一般社団法人日本消費者協会
 「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告」公正取引委員会事務総局

以上

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