第9回 我孫子<手賀沼の水辺散策と白樺派文人等の足跡>を訪ねる

2014年5月30日

日 時 2014年5月30日(金) JR「我孫子駅」改札口 午後1時集合
参加者 14名

chiba9-1 JR我孫子駅横の「けやきプラザ」(平成18年8月千葉県・我孫子市が共同建設)最上階展望室から360度のパノラマを楽しむ予定が、折からの黄砂によりスカイツリーがかすかに見えるだけ。とりあえず眼科の手賀沼全貌を俯瞰し、これからのコースの概略は理解できました。



chiba9-2 手賀沼公園まではバスで移動しますが、乗り場のすぐ横には英国製蒸気機関車をかたどった飯泉善雄顕彰碑がありました。飯泉さんは用地を無償提供して我孫子駅を誘致した元安孫子市長だとか。志賀直哉の「和解」の舞台「笛がなると皆は“さようなら”と云った。自分は帽子に手をかけて此方をみている父の眼をみながら・・・」の舞台です。


chiba9-3 手賀沼公園でバスを降り、昔は向岸まで渡し船があったとか、水質の汚濁は解消されたが、東関東大震災による放射能汚染の影響で漁業は成り立たないことなど、手賀沼の説明を受ける。
少し移動するとコハクチョウか小さい子どもと水辺を泳いでいるのがなんとも可愛らしい。




chiba9-4 手賀沼から数分で、最初の難関となる急坂をのぼると
☆「柳宗悦居宅跡」の三樹荘(庭に3本の椎の古木があり、嘉納治五郎が命名)があります。柳は嘉納治五郎の姉の子供で、民芸運動の始祖・宗教哲学者。雑誌「白樺」の創刊に参加し、同人として活躍。同市夫人兼子は国立音楽学校教授。紫綬褒章・芸術院恩賜賞。日本芸術院会員。



chiba9-5 ☆「嘉納治五郎別荘跡」
三樹荘の向かい側。氏は講道館創設はあまりにも有名です。昭和13年、エジプト・カイロのIOC総会に出席し、第12回オリンピックの東京誘致に成功。帰途氷川丸船上で急性肺炎のため死去。この大会も戦争で中止になったわけで、この原っぱで「兵どもの夢のあと」を思い浮かべるのは私だけだったでしょうか・・・。彼は手賀沼別荘文化の草分けでもあります。


chiba9-6 ☆「楚人冠公園」
この別荘地の奥からちょっとした急坂を下ると楚人冠公園に入りました。
楚人冠は朝日新聞記者として活躍。同新聞社調査部を創設したり、我孫子ゴルフクラブの創設にも関与。嘉納治五郎、村川堅固と「手賀沼保勝会」を結成し手賀沼地区の保全に尽力。庭ではエゴノキが満開でした。



chiba9-7 ☆「白樺文学館」
館長から成り立ち、収蔵品などの説明を受けました。
志賀直哉が小林多喜二に宛てた書簡、武者小路実篤の谷崎潤一郎宛書簡・絵などが面白かった。地下では前出柳宗悦夫人兼子が晩年うたった楽曲(アルト)のCDが鑑賞できました。



chiba9-8 志賀直哉の書。松の字が木の下に公となっています。



chiba9-9 ☆「志賀直哉邸跡」
白樺文学館の斜め向かいにひっそり書斎があります。
各地を転々とした後、柳宗悦の誘いで我孫子に移り住み、「暗夜行路」「城之崎にて」などを書き、「和解」では当時の手賀沼の様子が描かれています。



chiba9-10 今回お世話になった地域ボランティアの佐久間さん。
大きい字の紙芝居を作っての説明は分かりやすく、参加者の皆様の評判も良かったと安心しました。



chiba9-11 ☆「旧村川別荘」
東大(西洋古代史)教授村川堅固氏が安孫子宿本陣の離れを移築した建物と、画像は氏が朝鮮旅行のイメージをもとに設計し昭和3年に建築された寺院風の新館とがありました。
猛暑日の予報で心配しましたが、ほとんどこのような樹木が茂っていて、吹き抜ける風が涼しくて助かりました。



chiba9-12 ☆「子の神大黒天」
「子の神将」と「大黒天」が祀られ、足腰がつよくなるようにとの「ブリキのわらじ」は珍しく、このあたりは14基の古墳群があるなかで、この境内の古墳のみが前方後円墳です。



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手賀沼・親水公園にある「水の館」が最終目的地。
展望塔からは夕照に映える手賀沼が美しく、大きい橋は新手賀沼大橋(全長415m、幅24m)です。



chiba9-15 「水の館」からバスで我孫子駅まで戻り、全員元気に解散できました。
その後は希望者で懇親会も話が弾み、世話人一同も交えた楽しいひと時を過ごせました。参加者の皆さまに感謝します。

☆「今日の工程」
「けやきプラザ」→「飯泉善雄顕彰碑」→「手賀沼公園」→「柳宗悦居宅跡」→「嘉納治五郎別荘跡」→「楚人冠公園」→「白樺文学館」→「志賀直哉邸跡」→「旧村川別荘」→「子の神大黒天」→「水の館」
でした。




次回以降も楽しい企画を進めたいと思います。またの参加をお待ちしています。

「ちば・METの会」世話人一同

【活動区分:京葉会

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